ゆびきり
そんな私のことを感づいたのか、詠士はいきなり私の左手の小指を自分の小指と繋げた。


「えっ…ちょっと…」

私は困惑しながら彼をみつめた。


彼は笑みを浮かべて勢いよく腕をふりはじめた。


「ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーます、ゆびきった」


ゆびきりをして、無邪気に笑う彼に私の胸の鼓動が乱れた。


「絶対毎日こいよ」


私は、乱れた心を感づかれたくなくてその塲を走って去っていった。


不覚だ、私は彼に惚れてしまった。



あの彼を見つけた一瞬、二年ぶりにの恋をした。


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