ゆびきり
彼とつきあってまだ一ヶ月。


でも、なんだかどこかよそよそしい…

なにかをかくしているようで、本当の自分を見せてくれていないことが、感じられる毎日だった。



そんなある日、ついにその理由が解明された。


「あっ…」


人込みの中あるいていると、彼の姿をみつけた。

隣には性格のきつそうでケバい女がいた。

彼も私に気付き、お互い足を止め、みつめあった。



「どういうこと?」



私が尋ねると、彼は少し考え、決心したように私をみるなり、冷めた目でこういった。



「なに?お前とはただの友達だろ?勘違いすんなよ。みんな誤解するだろ」



そして、女の肩を抱き、私の横をとおりすぎていった。



私は、じぶんの置かれている状況がのみこめなかった。


私の目から勝手に流れ出す涙を無視して、無意識に私は一人、歩いていた。


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