ゆびきり
梨由と出会ったのは、龍二と会って半年くらいの月日がすぎた頃だった。



詠士も詳しくは知らないが、龍二に一目ぼれをした梨由は、毎日無愛想な龍二のところへ通っていたらしい。



それで、龍二と仲良くなれたのか、いきなりポエムに女子高生が現れたのが梨由だった。



「ビビったよ、あいつも女が貢いで生活するタイプでさ、特定の女なんていないと思ったから」


「じゃあ梨由、龍二さんと付き合ってたの?」


「いや、一生片思いでおわる恋だってみんな思ってたしね。仲間の中には入れても、恋愛感情とはちがうらしい」



私は、初めて梨由と会った日を思い出していた。



「もう、叶わない…」


そう言った梨由。


梨由も、きっと女遊びをするどうしよもない彼をなぜか好きになってしまったんだね。


だから、あの日、私に言ってくれた言葉は、私の心を写しだしたようだったのね。


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