ゆびきり
だからかな?


なにか傷を持っている彼女だからこんなにも心を開けるのかもしれない。


「かけた!」


梨由はそういって、便箋とお揃いの封筒に詩を入れた。

封筒にはちゃんと
「Dear日和」
「to梨由」と書いた。


「どおぞ」


梨由は両手でお手紙を渡してくれた。

私も、その手紙を両手で受け取った。


「ありがとう。いくら?」


「いいの。私、今日で店閉めるんだ。だから最後のお客様にはサービス」


「最後?なんで?」


私が尋ねると、少し答えにくそうにこういった。


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