ゆびきり
「詠士って、普段何してるの?」



「昼間はバイトしてるけど、ほぼ女の相手。そっちのほうが生活には困らないし…」


「カッコイイ男はいいわね。貢ぎがたくさんいてさ」



梨由はおもいっきり嫌味のように言った。



「別に…お前こそ、なんで詩なんて売ってんの?てか金にならねぇだろ?」



「私?詩書くのが楽しいし、自分の気持ち素直に表せて心のモヤモヤがなくなっていくから。それに、友達も増えるよ!そんで、相談きいて詩かいて渡したら、気持ちが晴れたって…初めて人の私でも役に立つんだって、凄く嬉しくなったんだ」



生きがいを持っている梨由が、詠士の瞳に輝いて見えていた。

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