好きです…
「梓ぁ〜。みんなすげぇ心配してんぞ。」


「ごめんなさい…」

「とりあえず、中入ろうぜ。鍵は受け取ってあるからさ。」


「うん、ありがとう」


カチャ

ここが私の新しい空間…

ちょっと1人の世界に入りそう…


「梓、浸ってるとこ悪いけどさ、ちゃんと説明しろよ、こうなった状況を!ってだいたいわかってっけどな。」


「優くん…なんでいるの?」

優くん…私の好きな人…つまりお姉ちゃんの彼氏でもうすぐ旦那様になる人…

そう、お義兄さん…


「オレの説明が先かよ!?まぁいいけどさ。みんなで駅まで見送ったろ。で、結婚式の打ち合わせとかもあるからさ、そのまま梓んちに行ったんだよ」

結婚式…まだ何も聞きたくない…きっとまだ笑えないよ…


「でさ、お昼になったし、出前取ってさ、雫とゴロゴロしててさ。」


雫はお姉ちゃん…相変わらずくっついてるんだなぁ。そんなの毎日見てたら、私…壊れる…


「で〜!って聞いてるのか?」

「うん、聞いてるよ。続けてください。」


「よろしい!!で、そろそろアパートに着いてる頃だろうから電話しようってことになったんだよ。梓は浮かれまくって、自分で電話するの忘れてるだろうからって」



そうだね…無事に着いてたら、ここにはアレ置いてとかここにはコレとか考えて電話しなかったかも…

先読みされてるなぁ…


「んで、電話したらさ東京で鳴ってるはずの着信音が、まさかの家の中で聴こえてきてさ!」


「………………」

「お父さん達絶叫してたよ…」

「………………」
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