好きです…
「そうなんだね…本当にごめんなさい…。ところで優くん、どこに泊まるの?」

「ここしかないだろ」

「えっ!?」

「お前の顔見たら最終の飛行機でとんぼ帰りするつもりだったのに、お前、来ないからさぁ…で、わけわかんね〜、男に手ぇ引かれてくるだろ…」


「あっ、あの人、私を保護してくれたんだよ。区役所に勤めてるんだって」


「梓…今回はいい人が声かけてくれたから良かったけど、みんながそーゆー人間じゃないからな。気を付けろよ…」


「大丈夫だよ。」

「大丈夫じゃないだろ…お前、オレ帰ったら生活出来んのか?」


「も〜、優くん、お姉ちゃんの心配性うつったんじゃない!?」


これ以上ドキドキさせないでよ、優くん…


「あっ!雫に電話しろ!何回も電話してきてたからな。」


「そうだった。今かけるよ。」


優くんはドキドキしないの…義妹になるとはいえ、女の子と一晩一緒にいるんだよ…


トゥル…

「もしもし!梓!!どこ行ってたの…バカ…」


お姉ちゃん…出るのはやっ!って心配で携帯握りしめてたんだよね。ごめんね、お姉ちゃん…

そーゆーお姉ちゃん大好き。優くんもだよね…妹の私からみてもかわいらしいもんなぁ…


「お姉ちゃん、心配かけてごめんね。ちゃんと着いたから。詳しくは優くんが帰ってから聞いてよ。」


「も〜。梓ったら!」


「お父さん達にも謝っておいてね。」


「わかったよ」


「じゃあ、ちょっと歩き疲れたし私寝るけど…優くんに代わろうか?」

「あ〜、いいよ。また後で電話するから。」

「遠慮しなくていいのに」

強かってみた…その分、胸が痛かった…


「じゃ、おやすみ、お姉ちゃん。」

「うん、おやすみ。」


お姉ちゃん…優くんが私と一晩過ごすのイヤじゃないの?
私だからそんな心配してないか…
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