好きです…
10分くらい歩いたかな…優くんの後ろを静かに歩いた…

優くんの横に並んで歩けるのはお姉ちゃんだけだから…私は優くんの背中だけを見つめてた…ずっと…

変わらない距離…違う…変わっちゃダメなんだよね。
妹でいい…

ちゃんと妹になるためにここに来たんだから。


「梓、ほら、ここにあるんじゃないか?」

優くんが見つけたのはホームセンター。

「そうだね。」

「車貸してくれたら運べるけどな…布団。ダメなら毛布だけでもいいよな。今日1日だけだし。明日、運んでやるからさ。」

「うん。ありがと。」


二人で店内を探して布団を発見。優くんがお店の人に車の貸し出しを聞いてくれた。

アパートが近いのでオッケーだったみたい。
良かった…


「梓、オレに買わせろよな。」

「えっ!?いいよ。ちゃんとお金、貰ってきてるよ。買うもののリストに入れてたから。予算内だから平気。」

「オレからの卒業祝いと進学祝いだよ。買わせろって。まだ何にもお祝いしてやれてないだろ。」

「でも…」

「ここはお義兄さんに買わせて。」

あ〜ぁ、優くんにお義兄さん宣言されちゃった…

涙出そう…


「わかった。じゃあ、お願いします。ありがとね。」
「おぅ!」


優くんの笑顔…義兄としてのプレゼント…

私は今できる精一杯の笑顔を見せた…


「優くん、私、ちょっとトイレ行ってくるね。すぐ来るからここにいてね〜。」
「あっ!おい、梓!!場所わかんのか!?」

「お店の人に聞くから平気!」

私は小走りにその場を去った…

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