好きです…
ものすごい恥ずかしいんだけど…
だって、この人、そこそこイケメンだし、それに…この人の声…安心出来て好き…

って、この人のこと考えてる場合じゃないから!!

ほらぁ、不審がってるし。

「ねぇ、アパートがどこかわからないって…君、どこかに頭ぶつけた?」


「はいっ!?」

「それとも……どこからか逃げ出してきたとか…」


「い…いや!?ちっ違います!!」

びっくりして涙も止まっちゃったよ!!


「じゃあどうしてアパートがわからないの?って…どれくらい探してるの?」


「実は…ですね…」

「あっ、ちょっと待って!なんか話も長くなりそうだし、オレも放っておけないし、冷えて来たしさ、コーヒーでも飲もうよ!お兄さんがご馳走するから!ねっ!!」


お兄さん…っか…


その「お兄さん」という単語がまたグサリ…

お兄さん……お義兄さん…

「すぐそこにさ、喫茶店あるから。行こ!」

手を引かれ歩き出した。

「君の手、すごい冷たいよ。もうすぐ4月だけどさ、まだ寒いんだから。風邪ひくよ。」

なんでこの人、こんなに優しいんだろう…

また泣きそうになる…
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