好きです…
お義兄さんを思い出してしまった…

彼の優しい声が好きだった。彼といるとゆっくりした時間が流れる感じがして好きだった…

でも、隣にいるのは私じゃなくお姉ちゃんだった…

ダメ、ダメ。忘れないと!首を横に振った。

「どうしたの?梓ちゃん?」

「いっいえ。何にも!アパートの名前はシエスタハウスってアパートなんですけど…」


「シエスタハウス…あっ、わかったよ。大丈夫。ここからそんなに遠くないよ。これ飲んだら行こうね。」

「歩いて行ける距離ですか?」

「うん、10分もかからないよ」


「良かった…あの…道順教えてもらえれば、あとは私1人で行きますから…」

「それはダメ!また迷子になったら大変だし、もう真っ暗だからね。女の子1人を歩かせられないよ。」


「すみません…」


「気にしないでいいよ。オレも通り道だからね」


そうなんだ…梗太さんの家、近いのかな…


梗太さんとの出会い…
ここで終わらせたくないな…

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