一生の恋バナ



次の日…


私は、1人で学校に向かった。


すると、担任の先生から


『皆さんに残念なお知らせがあります

昨日、類さんと美紅さんが

事故に巻き込まれました

美紅さんは…精神的ショックのため

記憶を失っているそうです…

だから、お見舞いとかは行かないで

学校に帰ってくるのを待っていましょう…』





─記憶がない?



私は、学校の帰りこっそり病院に行った。


私『あの…

桜井美紅さんの病室はどこですか』


受付の人に聞くと


『あー…美紅さんは

面会はまだダメなので…』


私『記憶がないのはわかっています…

でも、親友なんです!!』


『ちょっと…待ってください』


すると、


“院長っ

302号室の桜井美紅さんの親友が見えていて…”


“405号室の少年と一緒に

事故に巻き込まれた子か?ダメだ。

断っとけ…”


そんな声が聞こえてきた。


私は、急いで302号室に向かった。


トントンッ


私『入りますっ』


すると、窓辺を見つめる美紅が…


美紅『どちら様…ですか?』


この瞬間、私は思った。


“美紅に記憶を戻させない”


そっから、私は美紅の病室に通い、


嘘の記憶を美紅に埋め込んだ。


そんな中だった。


類が手術のため、


アメリカへ行くことが決まった。


でも、私にはそれは好都合だった。


そうすれば、美紅も記憶を思い出さずに済む。


私は、美紅の家族に


私『美紅…私と話しているうちに状態は

回復しましたが…

類のことを思い出すと事故を思い出して

辛いと思うんです…だから、類のことは

忘れさせるようにしてあげてください』


美紅の家族はもちろん、類の家族のところにも


言いに行き、家族みんなが頷いてくれた。



それから半年がたち、


美紅は学校に行けるくらいまで


回復した。


クラスのみんなは暖かく迎えたけど


美紅は男子としゃべるときだけ


固まっていた。


そう。


男子が無理になっていた。


私の計画の中では


美紅に好きな人、彼氏を作らせ、


類から遠ざけようと思っていた。


男子は喜んで協力してくれた。


元々美紅のことが好きな人は


いっぱいいたから。


可愛いし、明るいし…


そんな子が元気がなかったら


放っておくわけがない。


みんなの協力もあり、


次第に美紅は前のように明るくなっていき


男子も大丈夫になってきた。



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