一生の恋バナ
中学一年生の梅雨の時期。
午前は晴れていたのに、
午後からはバケツをひっくり返したような
雨が降ってきた。
私は傘をちょうど持っていたので一安心。
類とれいらの下駄箱を見ると
靴がなかった。
確か、れいらは傘を持っていなかったはず…
大丈夫かな…?
私はそう思い、一人で歩いて帰っていた
すると、
家に帰る途中にある八百屋の軒下で
類が雨宿りをしていた。
類『よっ!』
私『よっ!
じゃないでしょ!
何でそんなに濡れてんの!?』
類は、全身ずぶ濡れだった。
私は、急いでタオルをだし拭いて上げた。
私『類、傘持ってたのになんで…?』
類『れいらに貸したっ
だって俺の傘小さいから一人しか
入れないなって思って』
私『それでも、一緒に行けばよかったじゃん』
類『美紅はそれでもよかったのかよ…』
私『えっ?何?雨の音で聞こえなかった』
類『…だから、れいらみたいに
可愛いお嬢様を少しでも濡らしちゃダメだと思って
一人で使えって貸したんだよ!』
私『ふーん…あっそうですか
とりあえず行くよっ』
そうして、雨の中2人で帰った。