一生の恋バナ
類side
美紅を図書館まで送ったのはいいんだけど…
あいつらなに話してるんだろうな…
すんげー気になるわ。
ばれない程度についてってみるか。
そっと美紅のあとをついていき、
本棚の間に隠れた。
話がとぎれとぎれで聞こえてくる。
誠『この間は夕方行くって行ったのに…ごめんな』
美紅『いいっていいって!…』
え。やっぱあいつも会いに行こうとしてたのかよ…
俺は美紅が倒れて次の日の夕方に
会いに行こうと思い病院に行った。
そして、受付の方に行ったら
医者に呼び止められた。
『もしかして、君も桜井さんに?
せっかく来たところ悪いんだが、
今、検査中で明日か明後日あたり退院だから
その時まで会うのは待ってくれるかな?』
と言われしぶしぶ病院をあとにした。
─確信した。
前から薄々気づいてたんだけど…
誠は美紅のことが好きなんだな。
ぜってぇ渡さねえ…
そして美紅が
『…ばいばいっ』
って言ったあと
誠と目があった。
んで、次の瞬間…
誠が美紅とキスをした。
その後こっちに来て
誠『あとはよろしく』
なんて言って過ぎ去った。
俺は急いで門の方に行った。
俺『おい誠!!どういう事だよ?』
誠『見ればわかるだろ…
俺美紅のこと好きだから。
譲る気なんてないから』
俺『はあ?譲るもなにも最初から誠のじゃないだろ?』
誠『でも類のでもないよね?』
俺『負けねえよ?』
誠『どっちを選ぶかなんて美紅が決めることだしな…』
俺『ああ…』
誠『じゃあ、お先に』
って言って誠は帰った。
その後しばらくして美紅が来た。
俺は美紅の顔が真っ赤だったことに苛立った。
でも、それより…美紅フラフラしてねえか?
今日は自転車で帰んのはやめよう。
あいつ落ちそうだしな。
てか、出来れば一緒にいる時間長くほしいし。
おぶったのはいいんだけどこいつ…
超軽い…
俺が守ってやんねえとな。
俺『おい美紅?』
美紅は応答しなかった。
こいつ寝てるな…
寝かせてやるか…
家についた。
俺『着いたぞ?』
って言っても起きなかったから
そのまま家に帰って
美紅の部屋のベッドまで運んだ。