クリスマス・マジック―奇跡の夜に―
奇跡の夜
「今日さ、何の日か知ってる?」
「そんなの……ねぇ」
そんなことわざわざ聞かなくたって、分かりきっているじゃない、と私は周囲を見回した。
どこを見ても、幻想的な景色と、幸せそうなカップルか、家族ばかり。
「だよな。みんな幸せそうだな」
「羨ましいくらいにね」
だって今日は、暖かい笑顔が溢れている日。いつもより、二人の距離が近づく日。
【クリスマスイブ】
そして、数刻前からチラつき始めた雪。多くの人が思っているはずだ。なんと素敵な日だろうか、と。
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