イチゴ大福
「あ、ねぇ、紅音!DVD見たい?」
「どんなの?」
「恋愛もの」
「え、みたい!」
「よし、決定!」
そうやってつけたのは、
兄弟どうしの禁断の愛
のDVD。
わ、けっこうえろい…
でもなんか、
「かっこいい…」
「え、誰が?」
「え、誰がってゆーか…しいてゆうなら二人が?」
そう、主役の二人が。
「なにが?」
「そりゃ、こんなに強く一人の人を愛せるってことだよ」
「そう、思うの?」
「え、逆に思わないの?
だってさ、どれだけ危険なことか本人達が一番わかってるじゃん。
それでも愛を付き通せるって、すごくかっこいいよ。」
「うん、だよね。ありがと…」
…んん?
「なんでありがとなの?」
「え、いや、その、、」
「お願い。この前の話もそうだけどさ、聞かせてよ…」
「…」
「この前は、待ってあげるなんて言ったけどさ、
待てないんだよ、
待ってる間にも泣いてるのかなって考えたらさ、
私、どんなことを聞いても受け止める自信、あるよ。」
私は麻妃の目を見てそう言った。
「ほん、とに?」
麻妃は少し泣きそうな顔をしながらそう聞き返してきた。
「ほんとうに。」
私は少し微笑みながら、そう言った。
「…あのね、」
麻妃は、正直に話始めた。