イチゴ大福
私たちが付き合い始めたのは、
中学校3年の最後の方だった。
告白は私から。
ホントは告白なんてするつもりなかった
けど、気持ちが抑えきれなかった。
雅人も結構なイケメンだから、
女の子にキャーキャー言われてる。
告白だって日常茶飯事だ。
雅人も、恋とかそーゆーのに目覚めた時期みたいで、
「あ、あの子可愛い。」
とか、よく言うようになった。
私はそれが不安でたまらなかった。
昔から大好きな子が、他の子と付き合うなんて…って。
でも、告白なんて、できなかった。
今までの関係を壊したくないから。
私はずっと隠してきたの。
親友の紅音にさえ。
相談してしまえば、少なからず今までの関係ではなくなってしまうことはわかりきってたから。
私は幼なじみと言う立ち位置に満足してたはずなのに…
私はついに告げてしまったの。
彼が可愛いと言ってた子に告白されてたとき。
割り込んでいっちゃったの。
その告白に、雅人は
俺も好きだよ
そう、返してくれた
私は嬉しくてたまらなかった。
その後、何度も二人だけでデートしたり、
凄く凄く幸せだった、のに…
「お母さんね、雅人くんのお父さんと再婚することになったのよ!」
最初は混乱して話を呑み込めなかった。
けど、徐々に理解していった。
私と雅人が兄妹になるんだって。
私はお母さんに歯向かおうとした。
けど、できなかった。
すごく幸せそうに笑うお母さんに、
女手一つで育ててくれたお母さんに、
幸せになるな。
なんて言えなかった。