イチゴ大福
わたし達はしばらくして一緒に住むことになった
ずっと一緒にいるなんて、
もっと好きになれ
そう言われてるようなものなのに。
だけど私はできない。
雅人が私に言ったから。
「元通りでいような」
って。
無理に決まってるのに。
そう言ったんだ。
何年好きだったかわかる?
どれだけ好きかわかってる?
なんでそんなこと、簡単に言えるの?
そう、言いたかった。
けど、言えないよ
これ以上離れたくないから。
私は悩みに悩んだ末、決めた。
元どうりに戻ろうって。
雅人のことを、忘れようって。
でも結局、今でも忘れられてないんだ。
先生のことが好きだって自分に嘘をついて、
偽ってた。
先生にお嫁さんがいるって聞いたとき、気づいた。
安心してる自分がいたってことに。
そして、あの時、
雅人達がグラドルの話をしてたとき、
聞こえたの。
「俺、彼女にすんならこんな女がいいかも」
そう、雅人がぼそっと言った言葉。
それを聞いて、泣けてきた。
私なんかじゃダメだったんだ、って、
そう感じたから。