イチゴ大福


「すいません、道聞いてもいいですか?」

そう言ってきたのが、若い男の人。

「いいですよー!」

私は笑顔でそう答えた。

「区役所に行きたいんですけど…」

「あ、それならまっすぐ行って、右曲がって、そのままー…」

「あ、えっとわかりにくいので、ナビで行き方説明してもらってもいいですか?」

「あ、わかりましたー!」

私はそのまま、男の後ろについていった。

「えっと、これを曲がって…」

私はナビが見えるように、車の助手席に乗って説明した。

そして、私が説明し終わり、降りようとした瞬間、


「むぐっ」
口を抑えられた。

どこからともなく出てきたもう一人の男が私の手を後ろで縛り始めた。

目も塞がれてる。

私はパニクる頭を冷静に回転させた。

…誘拐されてるんだ。

わたしはやっと、そのことを理解できた。


車の扉が締まる音がした。

そして、走り出した。

どこに向かってるのか、全く見当がつかない。

…怖い


< 123 / 198 >

この作品をシェア

pagetop