イチゴ大福
「あ。」
葵が病室に入ってきた。
私のことを見て驚いてる。
「よかった…起きたか。」
「もちろん!ね、葵!助けてくれてありがとね!
あ、葵だけじゃないか。今度みんなにお礼言わせてね!」
「いや、お前はもう俺達と関わんな。」
葵が冷たく言った。
「あのさー、自惚れないでよね?
別に、葵達のために一緒にいるわけじゃないし、
命令されて一緒にいるわけでもないし。
それなのに関わんなって言われてはいそうですかなんて、そんなことありえないからね!
人生そんな甘くない!」
「いや、でも…」
「悪いけど、私は私のために葵達と一緒にいるの。邪魔しないで」
「…いや、だけどさ、」
「なに、一緒にいたくないの?」
少し不安になった…
「それはないけど…いや。そうだよ。」
「じゃあさ、言ってよ。
“俺が絶対守るから、そばにいてくれ”って。」
…ん?
私なんでそんなこと言ってるの?
「…話伝わらなかったか?そうだって言ったんだけど。」
「その言葉、本気で言ってるの?」
…嘘っていってよね?
私はそんな目で見つめつもつもりだった。
「そんな顔されたら、そうだなんて言えないじゃねーかよ。」
「言わなくていいよ。本気で答えて。」
「…俺が絶対守るから、一緒にいてくれ。」
ドキン
「よ、よろしい!」
ドキン
「なんだそれ!」
ニコッと笑いながら言った葵。
ドキンドキンドキン
ちょ、胸がいかれた…
まるで、昔に戻ったみたいに…
胸が高鳴る。
やばい、私今、顔赤いかも…
そう思ってしたを向いた。
ちらっと横を見ると、麻妃がニヤニヤしながら口ぱくしてた。
“す”“き”“な”“ん”“だ”
…いや、それはないでしょ!
私、諦めたんだもん!
絶対ないよ!?
「どうしたんだ?」
葵が私の顔をのぞきながら言った。
ちょ、今見られたらヤバイって!
「…顔真っ赤じゃねーかよ。
なに、さっきので照れちゃったわけ?」
意地悪するようにそう言った葵。
「っ!!そうだよ!うるさいなぁ!」
私は半ギレ状態でそう言った。
「え、マジで?」
葵は驚いたように聞き返してきた。
羞恥プレイかなにかですか、これは。
「何度も聞かないでよ」
私はそう言った。
「そんな拗ねんなよ」
そう言って葵はわたしの頭をぐしゃっと撫でた。
どき
また始まった…
心臓もぎ取りたいよ、まったくー!
「なぁ、紅音…?」
葵は優しいトーンで聞いてきた。
「なによ」
私は拗ねながら答える
「紅音は、恭弥が好きなの?」
恭ちゃん?
「そりゃ、好きよ!」
「しゅうってやつは?」
「好きー!」
「そこらへんのやつら全員?」
「タケたちでしょ?すきだよ!」
「雅人は?」
「好き!」
「和紗は?」
「好き!」
「佐々木は?」
「好き!」
「裕二さんは?」
「すき!」
「じゃぁ、俺は?」
葵…?
そりゃ、好きだけど…
なーんか、ちがう…
んー、ま、一応好きだよね?
「……好き」
「なんでそんなに間が空いたんだ?」
「んー、あれだよ!なんか、みんなに対してと違うなーみたいな?」
「ふーん。それで、どう違うの?」
「よくわかんなーい!」
「じゃ、俺に対してドキドキする?」
「…秘密!」
「ほかのやつらには?」
「するわけないじゃーん!」