イチゴ大福

すごい、小さい傷。

かき壊したみたいな傷。


「…これでよく大騒ぎできたわね」

麻妃が驚いたように言った。

「馬鹿にすんなよ!?
これはな、昨日犬が襲ってきたとき、彼女を守った時にできた傷なんだぞ!」

「そんでもって、その犬は?」

「彼女になでられて満足して戻っていった。」

「「守った意味な。」」

「うっせぇ!いいんだよ!自己満で!」

「うん、そっか。」

「痛いやつ。」

雅人がようやく口を開いた。

「うるせぇな!痛くねーもん!」

「はいはい。雅人はないの?」

「俺?俺は昨日麻妃に手当してもらったから。」

「ならいいか。」

「おう。」

にへっ

私はにやりと笑いながら麻妃を見た。

麻妃少しキョドってたけど、まぁいいか。

「あ、雅人。鍋パーティー来るでしょ?」

「あ?あぁ。行くよ。なんでこの時期に鍋なのかがすっげぇ疑問だけど。


「え?あ、そっか。いま冬じゃないんだっけか。」

「今は9月だぞ?」

「…夏か」

「「秋!」」

…ふたりでつっこまなくてもいいじゃん。

ぶぅー!


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