イチゴ大福
「私も、私も信じるよ!」
麻妃が言った。
すごく心配そうな顔をしてたけど、でも、目が透き通ってて、お世辞で言ってるんじゃないってことはわかった。
「俺も、信じる…!」
レンも、涙を拭いて、そう言った。
「じゃあさ、恭ちゃんのところ行こうか。」
私はそう、わらっていった。
「え、」
なんて戸惑ってる二人の手を引いて。
私たちが着いた場所は、集中治療室。
壁の一つがガラスになっているから、
廊下から見える。
…包帯でぐるぐるの、恭ちゃんの姿が。
「あ…紅音。」
そう、後ろで声がした。
「やす!無事だったのね!」
「あぁ、まあな。」
そう、苦笑いしたやす。
「しゅうとタケは?」
私が聞くと、
「トイレだってよ。クソ長いな…。」
やすがそういった時の顔が、
すごく悲しそうで、さみしそうで、悔しそうな。
そんな顔をしていた。
「まだ、移動できないの?」
私がそう聞くと、
驚いたようにみつめてきた。
「すごいな、紅音は…」
そう、つぶやきがら…