イチゴ大福

「行かねーよ」

俺がそういうと、

「じゃあ、俺もサボるかな!」

そう言って俺の隣に座ってきた。

「なにやってんだよ!?お前、教師だろ!?」

「だから?」

「ほかの奴らが困るだろーが。」

「俺以外にも先生は沢山いるからな。
平気だろ。」

「それでも、お前の授業待ってるやつは沢山いるだろ。」

そう。

彼は誰にでもフレンドリーで、授業が面白いからとかで、
人気なんだ。

そんな男の授業が受けられなんて、ショックを受けるやつが沢山いるだろうに…

俺なんか構ってないで、さっさと戻った方がいい。

そう思った。

「一人の生徒を見てやれなくて、どうやってほかの生徒に教えるんだよ。」

そう言って、笑った。

俺はもう、それ以上触れない事にした。

どうせ、言っても
負けるのわかってるし。


「好きにしろ」

それだけ言って。


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