イチゴ大福

あの事件から少したった頃。

俺達は、本部に呼び出された。

呼び出されたのは、

恭弥さん、しょう、レン、タケ、そして俺。

せいじさんは、あれからずっと戻ってきていない。

俺達は車で本部へ向かう。


俺たちが本部についたとき、本部のしたのフロアにいた奴らの空気が一変したことに気づいた。

これは、やばい…。

俺は本能でそう感じた。

でも、もう後には引けない…

恭弥さんに続いて、前に進む。

階段を上がり、扉をあけた。

そこには、椅子に座っているボスらしき男の姿があった。

俺は一度もボスにあってないから分かんねぇけど。

ボスの足元に倒れてる人がいた。

でも、うつぶせになってるからか、誰だかわからない。


でもなぜか、恭弥さんは駆け寄っていった。


…いや、わからないわけじゃないか。

わかりたくなかっただけで。

「せいじ!?」

そう言ってそれを抱えた恭弥さん。

…やっぱり。

そう思ってしまった自分が疎ましかった。

「せいじさん…」

俺達も近づこうと、一歩踏み出した途端…

ゴンっ

鈍い音がした。

「いってぇ…」

そう言いながら立ち上がる恭弥さん。

…蹴り飛ばしたのは、ボス。

「お前よぉ、裏切ったんだってなぁ?
この落とし前、つけてもらうぜ?」

そう言ってにやりと笑ってもう一度殴った。

ありえねぇ…


なんでやり返さないんだよ…

「言いだしっぺは誰だー?」

そう言ってまた、にやりと笑ったボス。

「俺だ。」
そう言い切った恭弥さん。

「だから、あいつらには手を出すな。」

そうも言った。

「恭弥さん!!何言ってるんだよ!?」

俺は慌てて叫んだ。

レン達も周りを取り囲む奴をギロりとにらんでる。

「お前たちは巻き込まれただけだ。
この落とし前は俺がつければいい話だからな」

そう言って笑った恭弥さん。

「そーかそーか。なら、逆らうなよ?」

そう言って何度も蹴って、殴ってを繰り返す男。

「ぐぁっ!」

たまにそんな声が聞こえる。

俺たちが飛び込もうとすると、

周りの奴らに取り押さえられた。

「はなせよっ!!!」


そう叫んでも、聞きいれてはくれなかった。

なんども、暴れて暴れて暴れて…

それを繰り返してやっと、手がほどけた。

俺は、自分を捕まえていたやつをひと蹴りし、

レン達を押さえ込んでる奴らも蹴り飛ばした。

その行動に驚いたのか、男の手が止まっていた。

「恭弥さん…」

俺はそうつぶやきながら男に向かっていった。

いや、俺達は。


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