イチゴ大福
麻妃side
麻妃side
…盛大にこけた。
あらぁ、痛そー
「大丈夫ー?」
私がそう、声をかけると…
「大丈夫です…」
そう。
良かった…ん?
なんで敬語…?
まさか…
「私、誰だかわかる?」
「え、麻妃でしょ…あ、しくった」
「なにがしくったのよ?」
「私ね、今から記憶喪失の真似して昔を振り返ろうっていう企画するの!」
「なにそれ…おもしろそうね!」
「でしょ?ってことで、協力してね!」
まったく、
「仕方ないなぁ…」
「今の音、なにー?」
そういって覗いてきた雅人。
「雅人!やばいよ!紅音、記憶なくしたかもっ!」
「は?まじで??」
「ほんとほんと!!私のこと、誰だかわかる?」
「えっとー、誰ですかー?(棒読」
ちょっと、めちゃくちゃ棒読みじゃないの…
「あー、そーゆー設定な。」
ほらー
バレちゃったじゃん…
「あらー、やっぱダメかなぁ…?」
紅音がさみしそうにそう言った。
「普通に振り返ればいいと思うけど?」
私が提案すると、
「うーん、そーするかな…」
そう言ってアルバムを取り出してきた。
「ねぇねぇ!みんな!アルバムみよー!」
そう叫んでから、リビングに向かった。
みんな、ウキウキしながらページをめくっていく。