イチゴ大福
写真を撮り終わってバラけた隙に、私は雅人に声をかけた。
紅音、
私、勇気出すよ…。
そう思ってアイコンタクトをしたら、
紅音は口ぱくで
“わ”“た”“し”“も”
…頑張って!!
結果は良くしかないけどね。
私がそんなことを考えていると
紅音に声をかけた恭ちゃん。
…恭ちゃんも、勇気出すのかな?
ちがうかもしれないけど…
「麻妃…?」
雅人が私に声をかけてきた。
ドキッ
名前を呼ばれるだけでこんなにもときめく。
重症だね、私。
「雅人…ごめん、私ね、約束守れない」
私が急にそう言い出したからか、驚いた顔をして見てきた雅人。
「約束って?」
「私と雅人の関係…元通りになんてできないよ…
私は、雅人のことが好き…」
私は一生懸命伝えた。
「…ごめん。」
雅人は申し訳なさそうに謝ってきた。
「なんで?」
私が聞くと、
「兄弟で付き合うことはできないからさ、
俺は親父にも幸せになって欲しいんだ…」
そう言った。
私の目には、涙が溜まった。