イチゴ大福
…遅い、
十分くらい待ってるよ!?
ま、安全運転してくれるのが一番だけどね
どうせ、バイクで来るんだろうから。
「紅音」
ん?
葵の声
だけどおかしい、バイク音がしなかったよ?
あれれれれ、
なにごとだ??
私が振り返ってみると、普通に立ってる葵がいた。
「あれ、バイクは?」
「…売った。」
「…へー!ってえ!?葵、あのバイク命だって言ってたじゃん!なんで!?」
「…あのバイクが壊れたから」
「え、まじ?」
「おう」
あらー、としか言いようがないよね
「だったら無理してこなくても良かったのに…
電車代無駄でしょ?」
「お前が怪我して帰ってくるよりまし。」
…///
「ふ、ふーん。」
「さっさといくぞ」
葵はそう言って私の手を引いた。
…葵のバカ、照れるじゃんっ///
幸せいっぱいのこの時私は気づいてなかった
葵がなんでこんなに早く迎えに来られたのか
だってさ、葵の家座敷童子の公園から三十分はかかるもん。
いくら走っても少なくとも二十分は絶対に。
少なくとも、葵は家にいなかったってことだよね?
それじゃあ葵はどこで何してたの…?
…なんて、葵と分かれて家に帰ってから考えてみて気づいた。
そして、嫌なタイミングでチャイムが鳴った。
ピンポーンピンポーン
「はーい!あら、麻妃ちゃんと、みぃちゃんかしら??」
お母さんが元気良く迎え入れた。
「はい、はじめまして!」
「いつも紅音が迷惑かけてるわよねー。これからもよろしくしてあげてね」
「いやいや!いつも助けられてばっかりで…
こちらこそ宜しくお願いします!」
「あ、お母さん、その子和紗の嫁(候補)だよ!」
「あら、そうなの!?やだー!ついに和ちゃんも!?」
「ちょ!紅音ちゃん!」
「あーはいはい、おばちゃん、家上がらせてもらうねー?」
「あとでイチゴ大福持ってくわねー!」
「「ありがと!!」」
「ありがとうございます!」
バタバタと階段を駆け上がって私の部屋につくと…
「ほら、そこ座っていいよ」
そういいながら堂々とベットに座る麻妃。
誰のお家なんでしょうか…まったくもうっ
「あ、うん!」
そう言いながら床に座ったみぃ。
私もその横に座る。
「で、なんかあったの?」
私が話を切り出した。
「あのさ、葵のことなんだけど…」
「葵?」