イチゴ大福
あの事故から1ヶ月が経った
私は今、葵のとなりで座ってる
…葵はまだ目を覚まさないけど
私は最近、学校へ行くようになった。
最初の頃は行く気になれなくて、いつ目が覚めてもいいようにって、ずっとそばにいた。
そんな時、ある人と出会った。
その人は始め会ったとき、私の顔を見るなり殴りかかってきた。
「お前のせいで葵は…っ!」
て何度も叫びながら。
そんなのわかってるよ。
そう考えながら出した声はいつもより冷めていた。
「あなたは誰、葵の何。」
私の声で熱が覚めたのか、前よりは落ちついて答えてくれた
「私は舞子。葵の元セフレ。」
舞子…
「ねぇ、葵が23日何してたかわかる?」
「23日…」
あの日だ
葵が浮気かもって日。
嫌な予感がする
胸がズキズキ痛む
苦しい…
「あの日はね、私といたのよ。
一緒に買い物してたの。しかも、葵からの呼び出しでね」
ズキンズキン
買い物…呼び出し…私だけの特権だと思ってた…
「それでね、葵ったら何を買ったと思う?」
「何って…」
「あんたへのプレゼントだよ」
冷たいような、あったかいようなそんなあやふやな声でそう言った女
「私への…?」
あなたへのじゃなくて?
そういおうと思ったけど、その前に彼女が口を開いた。
「そうよ
彼女にあげるプレゼント買うから手伝ってくれって言われたのよ」
「でも、じゃあ、なんでキスなんか…」
なんでそのあと撫でたの?
「私が無理やりしたのよ。すきっそう言いながらね。でもバッサリ言われたわ
俺には大事なやつが一人いるからそいつだけでいい。
ほかのやつは考えられないってね」
「葵が…」
「どうしても私じゃダメかって聞いたら、頭を撫でて、お前じゃダメだって、たくさん傷つけたよな、ごめんなって…」
だんだん泣きそうになっていく彼女
葵のこと、本気だったんだって実感した
「そんな葵見ててさ、あー、私じゃダメだったんだなって思ってね、だからあんたに譲ろうって心に決めたのに…なのに、あんたは…っ!」
そう言いながら泣きわめいた彼女。