イチゴ大福
またまたみんなが全員集合した。
「お前、半年寝てたんだかんな!?」
泣きながらそう言った和紗。
ほんとだよ、心配したんだよ
言葉に出ないから、心の中でそう訴える。
「泣くなよ、」
そう言って私を引き寄せて抱きしめてくれた葵。
私泣いてたのか…
…泣いちゃ悪いか、バカっ!!
だんだん込み上げてくる、安心感。
やっと、となりに戻ってきてくれた。
「これ、つけてやれよ」
そう言って葵に何かを渡した恭弥くん
「…さんきゅ」
そう言って受け取った葵。
私の顔は葵の胸に埋まってるから見えない。
「紅音、遅くなってごめん」
そう言って何かをつけてきた。
葵から離れて確認する。
「あ…」
ネックレスだ。
二つ飾りがついてる。
ひとつは私が買ったやつ。
もう一つは葵がくれたやつ。
二つともペアルックなんて、笑っちゃうね、
「ありがと…」
私はもう一度葵を抱きしめてそう言った。
「おう。」
「ねぇ、葵、紅音が買ったネックレスの意味教えてあげようか?
ニヤニヤしながらそう言った麻妃。
「なに?」
「…forever永遠だよ。ずっと寄り添うって意味。だから十字架なのよ、あ、二つ合わせないとわからないか…」
そう言われた葵は私の首にかかってるネックレスと自分の首にかかってるネックレスをくっつけた。
…ちょ、近いって!
「後ろにちゃんと書いてあるじゃん。foreverって。」
にやけながらそう言った葵。
「ちなみに、もう一つ飾りの意味は愛だよ」
そう言ってずかずかと近づいてきたのは…
「「舞子」」
ん、なんか睨まれてます…?
「あんたに呼び捨てされたくないわよ」
そう言ってふんって感じで目をそらされた。
「ちょっとあんた…」
そう言って間に入ってきた麻妃。
「麻妃、大丈夫だよ、この人とはちゃんと話したから。」
「…そう。」
気に食わなさそうな顔をして元いた場所に戻っていった麻妃。
「来てくれたんだ」
私は笑ってそう言った
「気が向いただけよ」
プンッて感じで言った舞子。
「ありがと!」
「あんたに会いに来たわけじゃないわよ」
「えへへ」
「ちょっと!聞いてるの?まったく…」
何言ってるの、だって葵にいいに来たんでしょ?
私にはもういい男がいるからって。
ま、言わなくてもわかるけどね、
その左手の薬指に光る指輪で。
「おめでとう」
指輪を見たからかわからないけど、葵が急にそう言った。
「もう、葵なんて眼中にないからっ!」
そう言って帰っていった舞子
「なにあいつ…」
なんていいながら呆れ笑いしてる麻妃。
「あの子なりの優しさだよ」
私は笑ってそう言った。