イチゴ大福
「でかーい!!わーーー!!冷たーーい!!」
「きゃーーーっ!!」
璃音と魅音が水を掛け合って騒いでる。
「「パパー!ママー!」」
二人が手を振りながら叫ぶ。
私も二人に手を振る。
私と葵はブルーシートの上で座ってる。
「貸し切り状態だね」
「だな。ま、5月だからな。
「季節感ないよね、うちって。」
「いつものことだろ」
「まーね、それが我が家らしさなんだけどね」
「そーだな。」
「あわー、疲れたー、」
「悪いな、運転させて。」
「仕方ないよ、昨日遅くまで仕事だったんだから。いつもお疲れ様です」
「おう。」
「あ、でも帰りはよろしく♪」
「あぁ。」
「…約束、守ってくれてありがとね」
「約束通りじゃないけどな」
「ふふっ。まーね」
「「ママー!パパー!カニがいたー!!」」
カニを鷲掴みにしし走ってくる二人。
「でもまぁ、幸せなんだしいいんじゃない?」
そう言って私が笑うと、
「そうだな」
そう言って立ち上がった葵。
「紅音。」
私の手を引いて立たせた葵。
「ん?」
「愛してくれてありがとな」
「…こちらこそでしょ!」
こちらこそ、
産まれてくれて、
出会ってくれて、
愛してくれて、
…生きててくれて、
ありがとう。
私達は静かにキスをした。
「ママ!僕ね、強くなるよ!」
「私も、綺麗になる!」
「「そんでね、パパとママみたいになるの!」」
「…ありがとね」
わたし達の間に産まれてきてくれて。
「いいか、璃音、好きな奴は愛し抜けよ。」
葵はそう言って璃音の頭をなでた。
「じゃー、ママからも一つ!
いい大福を見つけるんだよ?」
「えー?なんで大福なのー??」
「それはね、」