イチゴ大福
そこにいたのは、紛れもなく私の彼氏。
桜木怜(さくらぎれい)だった。
「怜…」
私はボソッと声に出した。
葵はそんな私をはげますように、
頭をポンポンと撫でてくれた。
そして、私が葵の優しさに甘えるように下をむいた瞬間、
「あれぇ、あおいぃ!」
そう言って近づいてきた葵の彼女。
…タイミング悪すぎでしょ。
「…こっちくんな。」
葵は彼女にそう言った。
私をかばうように、後ろに立たせて。
「えぇん!なんでよぉ」
…イラッ
「…葵くん、」
…怜の声だ。
「あ。お前確か、紅音の“元”彼じゃん。」
葵は、元を強調しながらそう言った。
「あれぇ、怜、葵のこと知ってるのぉ?」
…イライラッ
「あぁ、うん。ちょっとな。」
「そぉなんだぁ!あ、もしかしてぇ、
あのブサイク女の元カレだったりしてぇ?
それならぁ、趣味悪くなぃって話なのょねぇ。
私ぃちょっと軽蔑しちゃうかなぁ…」