濃いラブコメ
おれも、そんな彼女のことを、とんでもねえなと思いながらも、最初は好感を持っていた。
痴女でありながらも、それを隠さずに、なおかつ(エロ方面以外では)正しく生きようとする姿勢は、ゲイであることを後ろめたく思っているおれには、まぶしく見えた。だから、嫌いではなかった。
そう、「ギャルゲー病」になるまでは。
春に、「ギャルゲー病」を発症した途端、色摩はいきなり「とりあえずやらせてください」と言って、おれの体を求めてきた。
当然、断った。当たり前だ。おれは風宮が好きなのだから。
しかし断ったあとも、色摩はおれの周りをべたべたとつきまとってきた。何度もおれの背中や腕に、胸を押しつけてきたり耳元に息を吹きかけたりしてきた。どうやら、誘惑しているようだった。気持ちが悪かった。何度も吐き気がした。痴漢される女子というのは、こういう気分なのかと思った。