smile
いやいや、笑い事じゃねーだろ、この手は…
「しみたりしねーの?」
「超しみるよ(笑)」
「痛くねーの?」
「超痛いよ(笑)」
いずれも笑顔で平然と答える海。
俺はなぜかそんな海の笑顔が心配になって、
気づいたら海の両手を力強く握りしめていた。
海は、驚いたみたいで、目を見開いたけど、すぐ今度は心の底から出たような笑顔になった。
「…俺」
こんなに頑張っている海を見たら、俺なんかクズのような存在に思えて、
クズでもできることを、数分の間に考えて、
「…俺、海の為にしてやれることなんて、ほぼないけど、海の為だったら、何でもやるから!
悩みも聞くし、
自主練だっていつでも付き合うし、
応援にもできるだけ行くから!」
と、言った。
海は、「ありがとう」とだけ言って、優しく笑った。