smile
会話や関わりをあまり持たないまま、
俺達は小5になり、また同じクラスになった。
今日は、初めての席替えの日。
「拓海、クジ引けよ」
そう言って、クジの入った箱を前の席から回してきたのは、
小さい頃から親同士の仲がよくて、
子供同士も仲良くなった、友達の横山京吾(けいご)だった。
「サンキュ」
俺はそう答えて、
クジの箱を受け取り、
クジを引いた。
出てきたのは、“13”の数字。
13は、窓側の列の一番後ろの席で、
俺の好きな席だったから、
少しウキウキしながら移動すると、
隣の席には、
海が座っていた。