妄想クリスマス

「…ったく、俺まで余裕なくなっちまったじゃねぇか」





微睡む意識の中。

隣にいる彼が、私の髪を梳くように触れる。

意識も身体もハッキリしない。

私はそのまま目をつむっていた。





「…話が、あるんだ」





彼は私の髪に触れたまま、言葉を紡いでいく。





「さっきはイベント事には興味ねぇって言ったけどさ。
ひとつだけ興味のあるイベントがあるんだ。
だから…け…」





これはデシャヴ?

それとも私、また妄想してるの?





「…続きは起きたら言ってやるよ。
でも、テレ臭いからこっちは先にやるからな」





そう囁いて私の左手をとり。

薬指に冷たい感覚を置いた。





「メリークリスマス。ゆっくり休めよ…」





その言葉と一緒に唇に落ちてきた柔らかい感触。

私の意識はまた深いところへと落ちていった。






【…END】
< 11 / 11 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:7

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

色気のない僕ら

総文字数/7,891

恋愛(その他)17ページ

表紙を見る
嘘と微熱と甘い罠

総文字数/128,831

恋愛(キケン・ダーク)325ページ

表紙を見る
Penalty★Game

総文字数/76,043

恋愛(ラブコメ)202ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop