妄想クリスマス
「明日は遅番だろ?彼氏とクリスマスデートしてから出勤か?」
「あっちは仕事なんで」
「そりゃ残念だな、じゃまた明日もよろしくなー」
「お疲れでしたー」
ホールとキッチンの片付けが終わって。
帰路についたのは日付が変わってからだった。
「…寒…」
真冬の突き刺すような寒さは。
疲れた体には余計に厳しい。
早く帰って温かいお風呂に入りたい…。
お腹も空いた。
何か買って帰ろうかな…。
冷たい空気にプルプルっと身震いをすると。
身を縮こませながら歩を進めた。
…彼は何をしているだろう。
明日も仕事だからもう寝てる?
最近忙しそうだったから今夜もパソコンに向かってるのかな?
いつもなら気にならない彼の動向が気になるのは。
今夜は彼と私が一緒に過ごしたことのない夜だからかもしれない。