妄想クリスマス

見慣れた自分の部屋なのに。

ローソクの明かりにするだけで全然違う場所にいるような感覚になる。





「キレイ…」

「明かり変えるだけで変わるもんだな」





そう言って。

後ろからフワリと抱きすくめられる。





「ゴメンね…クリスマスなのに私、仕事で…」

「謝ることじゃねぇだろ?それに俺はイベント事ってそんなに興味ねぇしな」





抱きすくめた腕に力が入る。

私は後ろからまわされた腕に頭を預けた。





「でもお前は違うだろ?
周りが浮き足立ってる中で、周りを幸せにする手伝いをしてるお前にも…幸せだって思って欲しい」





まぁ、大したことできねぇけどな。

自嘲気味にそう付け加えると。

彼の腕に預けた私の首元に唇を落とした。



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