Noisy Christmas
ダブルブッキング?
* ダブルブッキング? *
「大丈夫か?」
国澤が飲みすぎた私のことを珍しく気遣ってくれる。
まったく、がらじゃない。
この国澤って男は、私のことをからかう為にだけ生きているんじゃないかと思うくらいの奴なのだ。
何かっていえば絡んできて面白がって笑っている。
なんだかんだとさっきの店で言っていたようだけれど、今日の私はボケる余裕もない。
「平気だよ」
年に一度有るか無いかの国澤の気遣いにそうは言ったものの、飲みすぎたのかバッグの中におさまる鍵を探し出せない。
マンション前で中身をグチャグチャに引っ掻き回し、数分後ようやく鍵を探し当てた。
「あった。あった」
鍵を見せると国澤が突然その手を握る。
「えっ? 何よ、急に」
真面目な顔をした国澤は、ガシッと私の手を握って離さない。