Noisy Christmas
よく解らずに睨み合う二人を見ていると、国澤の目をふんっと力いっぱい逸らした矢野が私に向き直る。
「咲子さん。封筒、受理してくれましたよね?」
えっ。
何を急にこんなところで。
「えっと。それなんだけど、実はまだ……」
国澤に渡すことができなくて。という言葉を矢野が大きな声でさえぎった。
「えっ!! まだ見てくれてないんですかっ? 僕ショック死しそうです」
へたりと地面にしゃがみこんでしまった矢野に、どうすればいいものかと私はおたおた。
「だって、あんな重要な物渡されたって私じゃどうしていいか」
「咲子さんじゃなきゃどうにもできないですよっ」
怒った口調の矢野がすっくと立ち上がり顔を近づけてくる。
そこへ国澤が割って入ってきた。
「おい、矢野。何をさっきからわけのわからないことを。取りあえず、お前今日は邪魔だからもう帰れ。な」
睨みつけられたかと思ったら放置プレイされていた国澤が、小うるさい矢野を追い返そうとする。
「帰るのは国澤さんですよ。僕たちの愛の邪魔をしないでください」
「愛?」
私と国澤が、同時に言って矢野を見た。