Noisy Christmas
「用事っていうか。咲子さんが見えたんでつい」
ついって。
私は、新種の生物か何かなの?
見かけたら近づいてしまいたくなるほどに珍しい新種なの?
「てゆーか、矢野」
「はい」
「下の名前で呼ばないでよ。ここ会社。私、あんたより年上。わかる?」
「えぇー。親しみがこもってて、いいと思うんですけどぉ」
「そんな親しみ要らないから」
「そんなぁ」
「いいから、下の名前はやめて」
「ふふふ。可愛いですね、咲子さん。照れなくてもいいですよ」
「いやいや、照れるとかそういんじゃなくてね」
「考えておきます」
話にならない後輩との会話に溜息がこぼれる。