Noisy Christmas
一人目接近中

    * 一人目接近中 *


翌、週明け。

「あぁ、疲れた」

溜息交じりに零して廊下に出れば、今日も営業の方からはまだまだ活気付いている雰囲気が漂ってきていた。

「営業じゃなくてホントよかった」

こんな日にまでお仕事ご苦労様、と申し訳なく息を漏らしエレベーターへ向かうとそこに矢野がいた。

「お疲れ、矢野」
「あ、咲子さん。偶然ですねぇ。運命ですねぇ。愛ですねぇ」
「あのね」

疲れを知らない若者の矢野は、テンション高めで笑顔を振りまく。

「いつも元気だよね」
「咲子さんに会ったら元気百倍。疲れなんて吹っ飛びますから」

半ば呆れ気味で言ったのだけれどあまり通じていないようすだ。
矢野がにししと笑うと、エレベーターのドアが丁度開いた。
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