Noisy Christmas

「どうぞ」

ボタンを押した矢野が、紳士的に私を中へ促す。

「ありがと」
「密室に二人っきりですね。なんか照れちゃいますよ。てか、嬉しいなぁ」

ドアが閉まってすぐ、誰も乗り合わせないエレベーター内で矢野がへらへら。

「矢野と二人っきりでもねぇ」

仕方ないでしょうよ。とばかりに零すと矢野が真面目な顔をした。

「僕と二人じゃ駄目ですか?」
「何言ってんの」

いつもの冗談だろうと矢野を見返すと、これでも結構真面目に言ってるんですけど。なんてぶつくさ零している。
そのうちに一階へ着き、ドアが開いた。

「密室終了ー」

若干不貞腐れている矢野に言い出口に向かって颯爽と歩き出したら、ササッと隣に並ぶ矢野が擦り寄るようにして訊ねてきた。
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