言葉から始まった……
あの日…
「お兄ちゃん、助けて!」
バタバタと部屋に駆け込んで来た私にため息混じりの声が返ってくる、
「おくって?だろ??」
「いえす!!」
嫌そうな顔をしながらも腰をあげる兄
その間に自室から荷物を取ってくる。
「もう行けるのかー?」
「うん!!」
満面の笑みを浮かべながら、お兄ちゃんの後ろに股がった。
バイク…
本当は二人のりなんてしたら駄目だけど、お構い無し。
ヘルメットはちゃんと被るけどね?
「はーやーいーーー」
きゃー、とか言ってみるけど、怖いとかそういう悲鳴ではなくて
楽しいとかの悲鳴。
今思えば、そんな風に楽しめたのってお兄ちゃんの腕を信じてたからだと思う
だからあのとき、夢だろっ?って
嘘だよね?って思ったんだと思う。