言葉から始まった……
ガシャーン
急に響いた衝突音、全身に走る痛み
気を失うことはなかったけど、目の前に広がってる景色を見てると夢を見てるようにしか思えなかった。
………お兄ちゃんは?
視界をぐるぐる回してみるけど、どこにもいない…
「お兄ちゃん?」
声にならない声でそっと呟いた。
ピーポピーポ
遠くで響く救急車の音、そこにまじる消防車の音
いろんな人の話し声…
徐々に薄れようとする意識の中で、それでもお兄ちゃんを探した。
……お兄ちゃん、死なないでね
願い、目を閉じた。