猫と宝石トリロジー ②エメラルドの絆
「あっ……やぁ……」
唇と舌を使って敏感に反応する身体を巧みに攻められていく。
蓮の唇が膝から上がってくると、初花はハッと息を飲んだ。
「待って!」
無理矢理腕をほどいて、サラサラの黒髪に手を差し入れ彼がこれからしようとしている事に恥じらいと躊躇いを見せた。
「シャワーも浴びてないのに……」
色気を含んだ彼の瞳に見上げられて、息を飲む。
「かまわない」
願いは聞き入れられず初花は恍惚の波に大きく喘いだ。
「蓮さんっ……わたし……もう……」
「ああ、いいよ」
初花は逃れられない大きな波の中、弾け飛ぶ光を受け入れた。
「初花」
掠れた声に瞳を開けると、苦しそうな顔をした彼が少し身体を引いた。
もしかして彼はここでやめてしまうかもと思ったら自然と身体が動いた。
「ダメ、ちゃんとあなたのものにして」
蓮は笑って、すがり付く彼女を組伏せた。
「もちろん、そのつもりだ」
自身に必要な準備をした蓮は十分潤った彼女のなかに一気に深く身を沈めた。
全身の血がたぎった。
こんなのは初めてのことだった。
蓮は驚きの表情で彼女を見つめた。
彼女を味わうつもりが心臓が止まるかと思うほど満たされ、動きが止まる。
「……れん…さん?」
「君はなにをしてくれた」
初花は瞳を大きく開いて彼を見た。
情熱に煙る彼の瞳を見て初花の中で知らなかった欲望が弾けた。
求められているものを差しだしこれから起こりうる事の全てに降伏する覚悟をした。
「あなたの望むものを」
そこから蓮は強烈な欲望に駆り立てられて身体をそして心を開いた彼女を激しく求めた。
火花散る快感が二人の身体を貫き蓮はドサッと彼女の上に倒れ込んだ。
「蓮さん……」
「あと一分待ってくれ」
何が言いたかったにしろ、彼の重みは心地よかったので初花は力の入らない手を彼の背中に回した。
「それにはあと二、三分必要だ」
「さすが元レーサー」
初花は満ち足りた笑みを浮かべた。
「信じてないな」
「えっ、きゃっ!」
あっという間に身体を反転させられて、彼の指が背中を上下すると、そのあとを唇が追いかける。
「あっ…ダメです…」
敏感になっている肌が面白いくらいに跳ね上がった。
「ダメかどうか試してみよう」
初花は本気にしていなかった。
さっきと違うゆったりとした動きに彼はただふざけているのかと思っていた。
「蓮さん……んっ」
覆い被さってきた彼にキスされるまでは……