猫と宝石トリロジー ②エメラルドの絆
暗転
*****
何てことだ!!
あの優男の正体は悪魔だったのか!
あの悪魔は僕のお姫様を拐って、あいつの塔に閉じ込めてしまったんだ。
彼女が黒猫について何も話さないので、とっておきだった最後の一つを置こうとした男は、彼女の部屋の異変に気づき強烈な怒りを覚えた。
「どうする!どうしたらいい!」
苛立ちで部屋の中を行ったりきたりする男の頭の中で、パラパラとページの捲れる音がした。
ー『 悲しむ王様の前で、一人の勇敢な兵士がお姫さまを助けに向かうと名乗り出ました』
男はハッと息を飲んだ。
ー『勇敢な兵士が悪魔を倒すとお姫さまはその愛に気づいて、かけられた呪いが解けました』
ー『僕は勇敢な兵士になる!!』
ー『そうね、その時は頑張ってね』
「そうか!お母さん、ついに来たんだね!」
物語はついに終盤に来たんだ。
「待ってて、僕が助けに行くから」
準備が必要だ。
まずは魔女の正体を明かす所から始めよう。
悪い魔女はどんな修羅場を迎えるだろうか。
上手く行けば、もしかするとお姫様は自分で塔から出られるかも知れない。
「大丈夫だ、塔の場所はわかっている」
男は悪魔との戦いに備え、黒猫に仕掛けた発信器を確認した。
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何てことだ!!
あの優男の正体は悪魔だったのか!
あの悪魔は僕のお姫様を拐って、あいつの塔に閉じ込めてしまったんだ。
彼女が黒猫について何も話さないので、とっておきだった最後の一つを置こうとした男は、彼女の部屋の異変に気づき強烈な怒りを覚えた。
「どうする!どうしたらいい!」
苛立ちで部屋の中を行ったりきたりする男の頭の中で、パラパラとページの捲れる音がした。
ー『 悲しむ王様の前で、一人の勇敢な兵士がお姫さまを助けに向かうと名乗り出ました』
男はハッと息を飲んだ。
ー『勇敢な兵士が悪魔を倒すとお姫さまはその愛に気づいて、かけられた呪いが解けました』
ー『僕は勇敢な兵士になる!!』
ー『そうね、その時は頑張ってね』
「そうか!お母さん、ついに来たんだね!」
物語はついに終盤に来たんだ。
「待ってて、僕が助けに行くから」
準備が必要だ。
まずは魔女の正体を明かす所から始めよう。
悪い魔女はどんな修羅場を迎えるだろうか。
上手く行けば、もしかするとお姫様は自分で塔から出られるかも知れない。
「大丈夫だ、塔の場所はわかっている」
男は悪魔との戦いに備え、黒猫に仕掛けた発信器を確認した。
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