猫と宝石トリロジー ②エメラルドの絆

暗転

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何てことだ!!
あの優男の正体は悪魔だったのか!

あの悪魔は僕のお姫様を拐って、あいつの塔に閉じ込めてしまったんだ。

彼女が黒猫について何も話さないので、とっておきだった最後の一つを置こうとした男は、彼女の部屋の異変に気づき強烈な怒りを覚えた。

「どうする!どうしたらいい!」

苛立ちで部屋の中を行ったりきたりする男の頭の中で、パラパラとページの捲れる音がした。

ー『 悲しむ王様の前で、一人の勇敢な兵士がお姫さまを助けに向かうと名乗り出ました』

男はハッと息を飲んだ。

ー『勇敢な兵士が悪魔を倒すとお姫さまはその愛に気づいて、かけられた呪いが解けました』

ー『僕は勇敢な兵士になる!!』

ー『そうね、その時は頑張ってね』


「そうか!お母さん、ついに来たんだね!」

物語はついに終盤に来たんだ。

「待ってて、僕が助けに行くから」

準備が必要だ。
まずは魔女の正体を明かす所から始めよう。
悪い魔女はどんな修羅場を迎えるだろうか。
上手く行けば、もしかするとお姫様は自分で塔から出られるかも知れない。

「大丈夫だ、塔の場所はわかっている」

男は悪魔との戦いに備え、黒猫に仕掛けた発信器を確認した。



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