運命は始まったばかり
「な、何!?」

手を振り払い
顔を上げると


「よっ、サンタねぇちゃん」

そこにいたのは、

閉店間際に大きなケーキを買って行った
スーツの茶髪お兄さんの姿・・・


「え・・?あの・・・・」


いきなりすぎて、

言葉にならない・・・。



「こんな夜に何してんの?」


「あ・・・か、買い物・・・」


「クリスマスなのに1人?」


「・・・・・」


「じゃー、俺とケーキ食おう!」


「は?」


そう言うと、
唖然とする私の手を握ると

走り始めた。


必死でついていくけれど、

さすがに運動不足の私には

限界というものがあり・・・・


「っ・・・ちょ・・・
ま、まって・・・っ」


その声に、ようやく足が止まった。
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