運命は始まったばかり
クリスマス本番という事もあり
順調に売れていく中、

店内の業務用冷蔵庫の在庫を見ると

思わず、大きくため息がこぼれそうになる。


「あのォ・・・
私、今日は5時で上がらせてもらうので・・」


ミニスカサンタの1人が
申し訳なさそうに
私と、もう1人のバイトの女性に
5時まで30分と迫った所で
そんな、ふざけた事を言い出してきた。


この、昨日以上に忙しい時に・・?


「え?店長には・・?」


「言ってありますよ~」


という事は、当然・・・


「追加で1人バイトが入るんだよね?」


こんな忙しい時に
2人で街頭販売をしろってのが
不可能なわけで・・・


「そんな事言ってなかったですよ?」


「は?え?・・・」


もう1人のバイトと顔を見合わせて
ただ、唖然としてしまう。


けれど、夕方に差し掛かると

そんな事を考えられないほど
忙しくなるわけで・・・


頭がパニックになりながら
頑張ってるわけだけど・・・


「5時になったので
先に失礼しま~す」


今時の高校生バイトは
そんな事考えられないようで

てんてこまいの私達を後に

笑顔で帰って行った。
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