運命は始まったばかり
沈黙の空気が流れてる中、

急に降って湧いたように
さっきのお兄さんが


「はい、ストップ。
お兄さん!
この姉さんは、今
俺の物なので
お譲りするわけにはいかないのですよ。」


マサトにそう言うと


私の方に顔を向け


「ね、お姉さん?」


そう、力強い目で
私に問いかけている。


「う、うん」


「というわけで、人の物を
横取りしないでくれます?」


「別にそういうんじゃ・・・」


気まずそうに、そう言いながら

ようやく、マサトが帰ってくれたけれど・・・


「お姉さん、今
返事したよね?」


「え・・・?」


「俺の物って言ったら
うんって言ったじゃん?」


「あー・・・うん」


「じゃあ、俺の物だ?」


そう言いながら

屈託のない笑顔を

私に向けている。






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