Witch and Vampire ―恋物語―
「帰るぞ。」
「いいのか、あいつらは?」
「どうせ中だろ。」
そう言って俺はその少女を担ぐ。
「もうちょっと丁寧にとかないの?怪我してる感じだけど。」
「はぁ・・・。じゃあお前が連れてくか?」
「はぁ?魔力使いたくないんだけど・・・。」
「じゃあ、このまんまだな。」
「もうわかったよ。」
そう言ってクラは俺と同じくらいの青年に姿を変えて、丁寧に抱きかかえた。
「・・・軽いな、この子・・・。」
「いいから帰るぞ。」
そう言って俺は歩き出す。
第一、俺は食事中だったんだぞとか言いながら、もと来た道を歩いていく。
後ろからやつらはついてこなかった。