Witch and Vampire ―恋物語―
「あなたは私を馬鹿にしているようですねー。」

そう言うと、また突っ込んできた。

今度は俺も突っ込む。

突然奴がしゃがみ、俺の拳は空振る。

奴は下から俺の顎を狙うが、俺は素早く下がる。

そのままカーディンに向かって炎の魔法をかけた。

「うわー熱い熱い。」

くけくけと笑うカーディン。

奴は腕を一振りすると炎を捨てた。

俺は今度は足に氷の魔法をかけた。

一瞬動けなくなったカーディンに向かってナイフの魔法をぶつける。

数本のナイフが急所に向かって飛んでいく。

が、既のところで避けられた。

カーディンの髪にナイフがあたり、軽く切れた。

だが、ナイフを避けることに意識を向けていたのだろう。

俺は腹に向かって掌底をした。

魔力もともに放出したため、かなりの距離を飛んでいった。

そのまま街灯にぶつかる。

「ぐはっ」

そのままずるずると地面へ落ちる。

「お前も俺のことを馬鹿にしていたようだな。」

俺は顔の近くに立った。

「はぁ、はぁ・・・確かに馬鹿にしていたようです。」

カーディンがニヤニヤと笑いながら言った。

「しかしあなたは、わかっていない。」
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